今回は健康と健康診断についてのお話です。
社会人になれば、1年に1回健康診断を受ける人が多いと思いますが、健康診断を受けるだけで安心していませんか?
実は、健康診断と健康について誤解している人が多いです。
この記事を読んで、健康について考えるきっかけになれば幸いです!
目次
健康診断と「健康」
上本くん!突然ですが、上本くんって健康ですか?
健康かどうかですか??
そりゃ〜健康だと思いますけど…
では、なぜ自分が健康だと思うんですか?
え?それは、健康診断A判定だし、特に病気もしたことないので健康だと思いました!
それじゃあ、健康診断の結果が良くて、病気にかかってなければ健康ということですか?
そうじゃないんですか?
「病気でない」状態と「健康」な状態は、明らかに違います!
健康診断にひっかかってないからといって、健康であるとは限りませんよ!
えー!そうなんですね!
その話具体的に教えてください!
かしこまりました!
健康診断の目的
健康診断の目的は、「病気の早期発見」です。
健康診断の血液検査などの検査でひっかかるということは、すでに病気に足を踏み入れているということを意味します。
健康診断の検査項目の「標準範囲」は、健康な人の標準ではなく、「これ以上、これ以下は病気」の範囲になっていますので、「標準範囲に入っていれば健康ですよ」という意味ではありません。
健康診断でわかることは、あくまでも「病気か病気じゃないか」ですので、「健康か健康じゃないか」ではありません。
ここからお伝えしたいことは、健康診断でA判定の人でも健康面に問題を抱えている人は多くいますし、病気じゃない状態が健康ではないということです。

健康とは、「肉体的・精神的・社会的に調子が良い状態のこと」です。
この「調子が良い」ことと「病気ではない」には大きな隔たりがあり、身体の状態は大きく違います。
健康診断では問題ないけれど、「調子が悪い」と感じている方も多いのではないでしょうか?
健康診断はA判定だけど健康じゃない人
パーソナルトレーナーとしてダイエット指導をしていて、「痩せにくい人は、健康じゃない人(調子が悪い人)が多い」ということよく感じます。
その方々も健康診断がA判定の方が多く、それなのに、身体の調子はあまり良くないという方がほとんどです。
病気まではいかないけど、健康ではないことを「未病」といいます。
日本人の成人には、この未病の状態の方が非常に多く、健康診断ではひっかからないから、何も対処せずにいるケースが非常に多いです。
未病の特徴
未病の方の特徴として、
- 元気が出ない、やる気が出ないなどの意欲喪失
- 朝起きるのが辛い、睡眠中夜中に起きてしまうなどの睡眠障害
- 便秘や下痢、胃もたれなどの胃腸機能の問題
- 食事制限をしても痩せない、あまり食べてないはずなのに太ってしまうなどの代謝不良
- 貧血や冷え性(低体温)、むくみ、生理痛がひどいなどのホルモンバランスの乱れ
などがあります。

仕事を頑張りたいのにやる気が起きない方は、20代で頑張って働きすぎてストレスや疲れが溜まり、徐々に元気が出なくなってしまう副腎疲労の状態かもしれせん。
この副腎疲労も一種の未病の状態で、働き盛りのビジネスマンに特に多い印象です。
「自分はダメな人間だ」と思わずに、副腎疲労の改善をすれば、若い頃のエネルギーが戻ってきます。
ご自身の感覚で、上記の未病の特徴に当てはまる場合は、年齢のせいにせず、健康を見直すことが大切です。
(10代、20代でも未病の方はいっぱいいます。)
未病の原因
このような未病の状態を放っておくと、病気になってしまいますので、むしろ未病の方が危険だと感じています。
なぜなら、未病の状態は主観では気付きにくく、改善が難しいからです。
未病が引き起こされる原因は間違いなく生活習慣です。
食事、運動、睡眠はもちろんのこと、環境やストレスなど、日々身体に降りかかる刺激全ての生活習慣の影響で身体は出来上がります。
あなたが自分の体で何かしら未病の状態を抱えているとしたら、それは紛れもなく生活習慣が原因です。
食事はバランスが崩れやすく、満遍なくバランスよく食べることが大切で、何かの栄養素が多すぎると問題が発生します。
よくあるパターンは、糖質と脂質が多く、タンパク質やビタミン、ミネラルの少ない食事です。
朝ごはんは抜きがちでお昼は麺類、夜は高脂肪のおつまみにお酒を飲む。
こんな食事では、身体の機能が正常に働くわけがありません。
たまに息抜きを作ることはとても重要なことですが、バランスの悪い食習慣を作ってしまうことはとても良くないことです。
このようなバランスの乱れが運動や睡眠、その他の生活習慣でも起こってしまい、その結果として未病が作られてしまいます。
未病の改善方法
未病の原因は生活習慣ですので、未病の改善方法はもちろん“生活習慣の改善”です。
ここでは簡単に3つのカテゴリーに分けてポイントを解説します。
食事
食事のバランスで気をつけていただきたいのは、あくまでもバランスが大切ということです。
ラーメンにチャーハンを組み合わせたお昼ご飯や飲みすぎるお酒はもちろん良くないですが、夜ご飯にお米を食べなかったり、朝食を抜いたりするのも良くありません。
息抜きも大切なので、飲みすぎないお酒やたまに甘いものを食べるのは大丈夫ですが、基本的には、3食バランスよく食べることが大切です。
主食、主菜、副菜、汁物を用意して、小麦や揚げ物はたまに食べる程度にしましょう。
食材には、「まごわやさしい+たまご」がオススメです。
ま:豆類(豆腐や納豆などの大豆製品)
ご:ごま
わ:わかめなどの海藻類
や:野菜(緑黄色野菜、根菜)
さ:魚や貝などの魚介類と肉類
し:しいたけなどのキノコ類
い:イモ類
+たまご:卵

「まごわやさしい+たまご」の食品をバランスよく食べれば、炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルの五大栄養素をバランスよく食べることができます。
食事のポイントは、基本的に3食「まごわやさしい+たまご」からバランスよく食べることです。
睡眠
睡眠で大切なポイントは、時間と質です。
どれくらいの睡眠時間を取ればいいかは個人差がありますが、よく言う「ショートスリーパー」は1000人に1人と言われています。
自称ショートスリーパーの人は数多くいますが、ほとんどは睡眠不足をカフェインなどで覚醒させて隠しているだけで、短い睡眠時間で身体が満足しているわけではありません。
日本人は5時間〜6時間睡眠の方が多いですが、7時間〜8時間の睡眠をとると調子が良くなる人が多いです。
睡眠の質に関しては、寝つきが悪い、途中で起きるなどの問題がないかやノンレム睡眠とレム睡眠、浅い睡眠のバランスが重要です。
睡眠の質を良くするためには、自律神経の働きを良くする必要があります。
自律神経とは、交感神経と副交感神経からなる神経で、生命の維持に必要なさまざまな機能を無意識にコントロールしている神経です。
睡眠には特に副交感神経が重要で、副交感神経はリラックスの作用があります。
睡眠の質を高めるポイントは、眠る前にリラックスをした状態で眠くなってから布団に入ることです。
布団に入るときに眠たい状態を作っておかないと、入眠後深い睡眠に入れず、睡眠の質が低下してしまいます。
軽いストレッチや深呼吸でリラックスし、眠たいと感じてから布団に入るようにしましょう。
運動
運動については、「やったほうが良いと思っているのになかなかできない」人が多いと思います。
汗をかくような有酸素運動や筋肉を鍛えるトレーニングには、ダイエットやボディメイクの効果だけでなく、身体を細胞レベルで元気にする力があります。
週に1〜3回程度の運動習慣は必要ですが、まずは普段の歩数を増やしたり、階段を上り下りしたりするだけでも大丈です。
全身を動かした方が効果は高いのですが、歩くことや階段の上り下りは筋肉量が多い下半身を動かす運動になりますので、それだけでも十分効果はあります。
デスクワークで1日3,000歩も歩かない方は、5,000歩〜10,000歩を目指して頑張りましょう。
また、お昼ご飯から帰るときにエレベーターを使わず、階段で帰ることもオススメです。
ご飯の後は血糖値が高くなっていますので、身体を動かすと血糖値のコントロールにもなりますし、タイミングも導入しやすいと思います。
未病の改善には、生活習慣の改善が大切なんですね!
健康を今一度見直して、生活習慣の改善に努めましょう!