今回はお勉強会です!
「脂肪燃焼」とよく言いますが、実際どのように体脂肪がなくなっているのでしょうか?
今回は体脂肪が燃焼するまでを解説します!
目次
体脂肪が燃える仕組み
体脂肪が燃えるまでの流れ
体脂肪とは、身体の中にある脂肪のことですが、脂肪を正確にいうと「中性脂肪」という名前になります。
中性脂肪は、脂肪細胞という脂肪を保管する細胞に蓄えられています。
糖質や脂質を食べすぎると、中性脂肪に変換されて脂肪細胞に蓄えられていき、体脂肪がどんどん増えていきます。
この脂肪細胞の中性脂肪が燃えるためには、
- 分解
脂肪細胞から中性脂肪を分解 - 運搬
中性脂肪を燃やす細胞へ運ぶ - 代謝
中性脂肪をエネルギーに変換する
この3つのステップが必要です。
もしあなたが「痩せづらい」なら、この分解→運搬→代謝の3つのステップのどこかに問題がある可能性が高くなります。

脂肪細胞の分解
脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪を燃やすためには、中性脂肪を燃やす細胞まで運ぶ必要があります。
そこでまず最初に必要なステップが、「中性脂肪の分解」です。
脂肪細胞から中性脂肪を分解するためには、ホルモンの働きとタンパク質の働きが重要になります。
脂肪細胞の中にはたくさんの酵素があります。
この酵素は、脂肪細胞の中性脂肪を分解して血液中に中性脂肪を放出する機能を持っていますが、通常その機能は発揮されません。
どうゆう時に酵素が力を発揮するかというと、ホルモンによって脂肪細胞が刺激を受けた時です。
「アドレナリン」というホルモンの名前を聞いたことがあると思いますが、アドレナリンなどのホルモンは脂肪細胞を刺激して酵素を活性化する働きを持っています。
ホルモンによって活性化された酵素は、中性脂肪を分解して血液中に中性脂肪を放出します。
ホルモンがないと中性脂肪は分解されないということです。
また、これらの酵素はタンパク質から作られますので、酵素の働き=タンパク質の働きが悪くても中性脂肪が分解されにくくなってしまいます。
ですので、体脂肪の分解には、ホルモンの働きとタンパク質の働きが非常に重要になります。

中性脂肪の運搬
分解された中性脂肪は、中性脂肪を燃やす細胞へと運ばれます。
それらの細胞の中でも、最終的に脂肪を燃やすのは、「ミトコンドリア」という細胞のエネルギー工場です。
せっかく分解した中性脂肪も、ミトコンドリアまで運ぶ力がないとまた脂肪細胞に戻ってしまいます。
ミトコンドリアまで中性脂肪を運ぶためには、タンパク質の船に乗せて運ぶ必要があります。
血液中を運ぶタンパク質は「アルブミン」で、細胞に入った中性脂肪をミトコンドリアまで運ぶタンパク質(アミノ酸)は「カルニチン」です。
この2つのタンパク質によって中性脂肪はミトコンドリアまで運ばれて、燃やす準備が整います。

中性脂肪の代謝
「代謝がいい」と聞けば痩せやすいイメージがありますが、代謝といっても痩せやすいだけが代謝ではありません。
代謝とは、化学反応でAという物質をBという物質に変えること全てを代謝と言います。
身体の中で起こる代謝は、「異化」と「同化」と呼ばれる代謝です。
異化とは、糖質やタンパク質、脂質などを使ってエネルギーを作り出す代謝のことで、痩せやすいというイメージの代謝はこちらです。
同化でイメージしやすいのが、髪や爪です。
人間の身体はタンパク質を土台に構造が作られていますが、このようにエネルギーを消費して身体に必要な物質を作る代謝のことを同化と言います。
話が脱線しましたが、脂質である中性脂肪を代謝(異化)することができるのは、ミトコンドリアだけです。
ミトコンドリアでは、TCA回路と電子伝達系をいう2つのエネルギー回路によって中性脂肪を代謝していきます。
この代謝によって、中性脂肪はエネルギーとなる「ATP」という物質と水と二酸化炭素に変換されることで「体脂肪が燃える」ということになります。
このミトコンドリアのエネルギー回路では、たくさんの酵素や補酵素、酸素などを消費してエネルギーを作り出していますので、それらに問題が生じるとエネルギー回路が回らず、痩せづらくなってしまいます。

あなたが痩せづらい理由
ここでは、痩せない方によくある特徴を上げていきます。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンの働きがないと、中性脂肪を分解することはできません。
脂肪を分解するホルモンが作られのは、副腎という腎臓の上にある臓器です。
この副腎という臓器は、アドレナリンの他にもたくさんのホルモンを作っていますが、そのせいで問題を生じやすくなっています。
副腎は、脳下垂体という脳の一部から指令を受けてホルモンを産生・分泌するのですが、ホルモンを作りすぎてしまうと、脳下垂体からの指令が出なくなり、ホルモンを作れなくなってしまいます。
ホルモンは身体にとってとても影響力が強いので、ホルモンの影響によって身体が変化しすぎることを阻止するために抑制がかかると言われています。
ホルモンの分泌が抑制されるということは、中性脂肪の分解が低下するということなので、当然痩せにくくなってしまいます。
この状態に陥っている方は、
- 元気が出にくい
- 集中力の低下
- やる気が出にくい
- 朝起きるのが辛い
- 日中や食後眠気がある
- 午前中元気が出ないのに夕方以降元気になる
このような特徴があります。

タンパク質の摂取不足・消化不良
中性脂肪の分解や運搬、さらにはミトコンドリアでのエネルギー回路を回す酵素など、脂肪を燃やす工程には様々なタンパク質の働きが不可欠です。
ダイエットにタンパク質が大切ということは広く知られていますが、これほどまでタンパク質に依存しているとは思ってなかったのではないでしょうか?
タンパク質が体内で不足してしまうと、脂肪の分解、運搬、代謝のすべてのステップで問題が出やすくなってしまい、痩せにくくなってしまいます。
単にタンパク質を食べる量が少ないのであれば、プロテインなどを使って摂取量を増やせば良いのですが、多くの場合、消化不良な腸内環境の悪化で、タンパク質の吸収能力が低下してしまっているせいでタンパク質不足に陥っています。
タンパク質をいくら食べても、身体の中に吸収されないとその効果を発揮できません。
タンパク質は大きい分子で、アミノ酸や少数のペプチドにまで分解しないと小腸で吸収されません。
ですので、タンパク質を吸収するためには、タンパク質を分解することが重要です。
タンパク質を分解するのは、胃で分泌されるペプチンという消化酵素や膵臓で作られて十二指腸で分泌されるトリプシンという消化酵素などがあります。
これらの消化酵素が働いていないとタンパク質の消化不良が起き、タンパク質が吸収できないためにタンパク質不足を起こしてしまいます。
この状態になっていると、腸内環境も悪くなっています。
未消化(分解されていない)のタンパク質が腸に流れてしまうと、腸の中で悪い菌が増殖する傾向にあり、その結果腸内環境が悪くなります。
タンパク質の消化吸収が苦手な方は、
- タンパク質を食べると胃がムカムカする
- プロテインを飲むとガスだまりになる
- オナラがよく出るようになる(臭い)
- 腹部膨満感
- 便秘、下痢などの症状がある
- むくみやすい
- 冷え性
- 貧血
このような特徴があります。

貧血
貧血とは、赤血球の中のヘモグロビンの数が少なくなった状態のことです。
ヘモグロビンとは、鉄を含んだグロビンというタンパク質が4つ集まった形をしていて、酸素を運ぶ役割があります。
酸素は何のために運んでいるのかというと、ミトコンドリアでのエネルギー回路を回すために運んでいます。
ミトコンドリアでのエネルギー回路は、別名有酸素系回路とも呼ばれ、酸素を使って大量のエネルギーを作ることができます。
逆にいうと酸素がないと、エネルギー回路を回すことができなくなるということです。
脂肪を代謝して燃やすのはミトコンドリアの仕事でしたが、貧血によって酸素不足になると、ミトコンドリアでのエネルギー代謝が回らず、脂肪が燃えにくくなってしまいます。
貧血の方は、典型的な痩せづらい体質です。
ご飯を制限しても、運動量を増やしても、脂肪をエネルギーに変える力がないので、ただしんどいだけで痩せづらいです。
痩せにくい貧血の方は、
- 甘いもの欲求が強い
- 立ちくらみ
- 冷え性
- 頭痛
- あざができやすい、治りにくい
このような特徴があります。

痩せづらい特徴に心当たりがある方は、今後改善策をアップしますので、是非チェックしてください!